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らでぃ~!
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食のたからもの再発見
東京財団2009年度政策提言プロジェクト全25編。今の時代に残る各地の食の「記憶」をまとめた貴重な記録。「釜炒り茶」「木曽赤かぶ」を担当。各方面で活躍中の執筆陣に叱咤され貴重な経験させてもらった。椎葉村、九州のお茶は忘れられません






味の箱舟/ark of taste
2007年、スローフード協会のプロジェクトに協力。現在22品目が国際認定を受けた、日本の「味の箱舟」品目のうち13品目の認定を手伝った。認定品目(英語)はこちら




ここきち!
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国友農園
高知県いの町、山奥の実生自生のお茶を再生させた釜炒り茶。自然とともにあるお茶の原風景が広がって



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お米のふなくぼ
お米のこと、ごはんのことを大切に考えるお米屋さん




森の空想ミュージアム
宮崎県西都市。児湯郡木城町茶臼原のすぐそばで、祈りの空間。主宰は高見乾司さん。九州の民俗仮面博物館もある






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日本の歩き方……おいしい村はどこにある? by タケウチアマネ

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  • 2011/11/28/Mon 01:10:06
  • CATEGORY:[koto]本

タネが危ない

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秩父の山奥の畑にて母本選抜作業を手伝う野口勲さん。

生命の歴史を通じて、動物と植物は手を携えて進化してきた。
どうぶつは植物を食べ、植物は動物の助けを借りてタネを生み、移動を委ねて、生存圏を拡大してきた。そして私たち人類の文明も、植物栽培によって生まれた。人類の歴史は、植物栽培の歴史であるといっても過言ではない。しかし今、人間と植物の長い協調の歴史が、崩れ去ろうとしている。人々が何も知らない間に、タネが地球生命の環の中から抜け落ちようとしている。     野口 勲


……野菜のタネ、在来種や自家採種と呼ばれる取り組みにはいろんな思い出がある。ほんとの最初に興味を持ったのは80年代後半ごろだと思う、池辺誠さんという方が世界を旅して、野菜の原種を訪ねあてるというノンフィクションあたりからだ。野菜の歴史や分布のおもしろさに一気に惹き込まれた。そして日本でも在来種を追及して来た方がいると知り、なおさら拍車がかかっていく。この種のことでは今でもバイブルになっている『野菜-在来品種の系譜』を著した青葉高先生の存在を知り、おお、日本列島だけでもかなり面白いと知って、そこで飯能の野口さんを知ることになった。

早くからインターネットに親しんでこられた野口さんは、その当時からMacを駆使してホームページを自作しており、在来種というキーワードで難なく存在を知ることができた。それと、当時大地を守る会が発行していた『がぶり』という月刊誌に出ていた記事も出会いを後押ししてくれた。秩父在住の長谷川満さんのお父さんが細々と続けてきた自家採種の記事がとても印象に残っていたことから、僕は勝手に、ああ、野口さんも大地さんと運動しているのかななどと思い、っそれならごあいさつだけでもしに行こう、という成り行きだったのだ。

当時の僕はあいさつが大好きで、秩父の長谷川さんのところにもお伺いした。それほど『がぶり』の記事の印象が深かったということと、始まったばかりのらでぃっしゅぼーやの生産者の会事務局長として、活動を広げなくちゃと躍起になっていた時なのでした。『スローフードな人生!』の作家、島村菜津さんと、イタリアのスローフード協会を訪問したのもこの年だった。

さて、その2002年12月、飯能のお店での野口さんとの会合は、単なるごあいさつ以上の出会いとなった。その後「在来種全国調査」の体裁を伴い、各地の種苗会社や生産者とのネットワークへ、商品企画へと結実していったのだ。道程ホントたくさんの出会いが広がって、そんな中ですら、「タネ」をめぐる様々な課題、講演会なども交えながら、生産者ともども、影響を受けた筆頭はなんといっても野口勲さんだった。

その野口さんがこの秋に上梓された本が『タネが危ない』。本文第1ページ、目次にもでていない最初の冒頭文が大きな詩のようだった。美しいので、全文を抜粋させていただきました。先月のお祝いパーティーではお元気そうだったけど、ろくに話もできなかった。僕も立場変わったし、あいさつしにかなくちゃ……

タネが危ないタネが危ない
(2011/09/06)
野口 勲

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野菜―在来品種の系譜 (1981年) (ものと人間の文化史〈43〉)野菜―在来品種の系譜 (1981年) (ものと人間の文化史〈43〉)
(1981/04)
青葉 高

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九州の民俗仮面

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部屋の片づけで「九州の民俗仮面」というおどろおどろしい企画展のチラシがでてきたので、しばしながめていた。一見西アフリカのドゴン族かなんかと思ってしまうけど、みんなれっきとした国産、九州に古くから伝わる仮面たち……

宮崎西都原のはじっこあたり木城町に隣接する地域は、茶臼原、西都原などと呼ばれて、九州山地をゆうゆうパノラマできる、でっかい空の丘陵地帯だ。僕がこの田園の片隅に佇む「九州民俗仮面美術館」を訪ねたのは3年ほど昔のこと。木造の掘っ立て小屋風情の美術館は、入り口にそれとわかる看板があるだけ。「ごめんくださーい」と呼ぶも人はおらずで、抜き足差し足(?)、展示室を覗きに進侵入したのだった。中はひっそり閑の静けさ、いくつもの仮面が、わずかな外光を吸収するみたいに、フォルムを鈍く浮き上がらせていた。その存在感に足を止め、しばらく呆然としてしまった。すごかった。

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そのすごさの根っこの部分、ちょっと長いがウェブサイト「空想の森美術館」から転記する……
「九州は、各地に伝わる多様な神楽面や、呪術・祈祷などの民間祭祀に使用された信仰仮面などが、さまざまな芸能や民間信仰、神話・伝説などと混交しながら伝承され、「民俗仮面の宝庫」、「仮面文化の十字路」などと形容されます。北部九州の修験道・放生会・修正鬼会(追儺の祭り)等と混交した仮面群、九州脊梁山地の狩猟・焼畑文化・神楽などとの習合がみられる仮面文化、南九州の黒潮の道・古代神話との接点をもつ仮面分布などが、アジア・環太平洋の仮面文化と連環しながら残存し、日本の古代芸能の原型をとどめながら濃密な分布をみせるのです。これらの仮面は、長い年月、個人の家や村、神社などに保存され、「神」として伝えられてきたため、風化にさらされ、磨耗し、人間の手の痕跡をとどめて、「時の造型」あるいは「風土の記憶」というべきつよいメッセージを発信しながら、見るものに衝撃を与えます。この民俗仮面こそ、日本列島の文化の古層を伝え、祭祀儀礼・芸能発生の謎、庶民の生活史などを伝える貴重な歴史遺産なのです(後略)」

……こんなすごいコレクションを今に伝えているのは、高見乾司さんという方。秘密の美術館見学を終えた帰り道、これも高見さんが運営している「祈りの丘空想ギャラリー」でぱったりお会いすることができ、お話を伺えた。ギャラリーのほうは大正期の教会を改装した、こぢんまりと美しい建造物で、高見さんのかかわる様々が、このなんの変哲もないような田舎の片隅に息づいていることに、フシギな感慨を覚えた。この人そしてこの場所。実はもっと立体的にすばらしいのだけど、まずは高見さん、今でも元気でおられるだろうか……

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石垣島のジャングルハウス


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ターンムファームの近藤卓、という人がいる。

きっかけは何だっただろう、商品「メローハバネロ」は自然食品店関係の仕事してる女房がサンプルでもらってきたカワイイ小瓶で知ったし、その後もどこそこのお店でそのカワユさに好感抱いてたり。心の隅っこで気にしていたので、昨年丹波方面に行ったとき、あいさつでもできるかなと住所調べたりもしていた。結局伺うことはできなかったが、今年の年明け、御茶ノ水に本店があるエコロジーショップ「ガイア」が主催する展示会でぐうぜんのファーストコンタクト、本人に挨拶をすることができた。展示会場の入り口に陣取って飄々とメローハバネロを売っていた彼。果物のかたちをしたステキな皮のカバンが印象的であった。丹波の彼の畑の近くまで行ったこととか、和知の菓歩菓歩さんや、兵庫側では山名酒造のことなど、少しだけ話して、まあ、あいさつを終えた。

その後も気になっていた彼について、今日は新たな発見があった。彼が丹波に来る前、沖縄の石垣島で暮らしていたことはウェブサイトにも書いてあるが、発見というのは、どうも彼には昔すでに会いに行っている。無断転載しちゃうので怒られるかもだけど、ウェブサイトに載ってるこの写真でピンと来てしまったのだ。

見たよこれ!

すばらしいセルフビルドの10角構造の住居!…雑誌『BRUTUS』に載っていたこの建造物の美しさに感動してしまい、ジュエリーデザイナーであると書いてあるから、女房と、きっとこの人に会いに行こうと話して、2004年、僕らは会いに行っていた。ノーアポだったけど、夏、家族での八重山旅行で。でもまぁ、会いに行ったのまでは事実なんだけど、結局は不在か何かで結局会うには至らなかった。看板だけみて帰ったんだと思う。近くにどハデなシーサーの窯元(米子焼?)があったから、今度近藤さんに会ったら、そんな僕らの思い出について聞いてみよう。

それはさておき、自給である。

近藤さんご家族、石垣時代の、ものの見事に「自給」が表現されたデザイン、すごいと思わないか。ドゴン族もツイアビも踊って喜ぶ(?)だろう親和感、このあったかいフォルムは何だろう。「自給」の概念がこの森の中でぴったんこ、具象しているではないか。美しい。こういうかたちから何百年何千年をかけて、蒸気文明までの洗練を積んでいった、その分岐前の在りようとして。ん?

この屋根を見れば、この人は単に雨露しのぎたかったのではなくて、雨にはこんなふうに僕の屋根を流れてもらいたい、と造られていることがわかる。部屋に入れば、こんなふうに寛ぎ、こんなふうにもてなしたいと設えた空間であることがわかる。それはそのまま「暮らし」すべてを、工夫しながら、思い(とか憧れとか敬意とか)を乗せながら手造りすることに結ばれている。いやはや。

建物だけではない。食のスタイルもそう。この石垣島のジャングルハウスを見ていたら、世代を越えて人間が継いでいく「纏いもの」、文化という概念に近いな、それが自給なのか、と思えたのでした。
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アリシアと自給

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伊那の高遠に暮らす宇野さんが進めるLURAの会は、手前解釈ながら「自給を分担する」実験と思うし、先日久しぶりに東京で会った高知の畑さんが画策ちゅうのprojectのキーワードは「自給共足」であるという。

この20年の僕そして僕たちは、何でもかんでも楽しくしなくっちゃ~でやってきたと思う。そもそも楽しいトコいいトコ提供するサービス業に身を置いてきたので仕方がないし悪いことでもないのだけど、その「楽しさ」を気にし続ける自分に、正直ウンザリもしていた。

ものごとの本質を語ってはダメ!な時代が来たのは、自分の見るところどうも21世紀になってから。そこでは、何割かの思考停止が、食や農業のことちゃんと考えないとって始まった当初のことをぼやかし始めたと思うし、それが今ではどっかり居座って自己増殖を始めている。これは後戻りできないナと、自分史的にはあきらめ心もずんずん積み重なっていった。

そのダメ!の中には自給というという言葉もあった。振り返ると自給は、おそらく身近に現場があって行動して生まれる思考であって、つまり自給について考えることは、現場から離れると、たわごとになる。当然のように、歳を経れば行動と現場への回路は遠ざかって、いつしか自給は手が届かないことと自覚するようになった。そして、まるでそんな思考停止の代償のように、大震災に原発事故が降りかかった。忘れるとはこういうことか。現実が先に本質をひん剥いちゃった。重たい現実だと思う。

……昔、古本屋で「地球の上に生きる」という本を見つけて買った。アリシア・ベイ・ローレルという人が書いた、絵本のような大判の本で、とにかく何でも手作りする、その方法が書かれている、ではなく描かれている。先日、部屋を掃除してたら出てきて、気になったので机に置いておいた。置いてあるので眺めてたらさらに気になって、インターネットで少々探してみたら、すごい、現役でウェブサイト持ってる!、wikiによると…アリシア・ベイ=ローレル(Alicia Bay Laurel、1949年 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州の女性アーティスト・作家・ミュージシャン。ナチュラルライフを提唱している。…んだそうである。

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自給を分担する


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少し前、らでぃっしゅの後藤さんとLURAの会、という集まりに参加した。

長野県伊那市高遠町というところで自給的な暮らしをする宇野俊輔さんが世話人となって始まった会で、都会の会員、といっても宇野さんの知人友人の人たちが高遠の借りた畑に集まって、自分たちが食べる野菜を自分たちの手で育てている。和気あいあい、この日もそうだったが、少々の農作業で汗をかき、ごはんを食べ、飲んで語り合い、お疲れ様、次はいつにしようね、という流れの仲良し同好の会。写真は左が宇野さん、真ん中がこの日知り合ったタマちゃんです。ここの畑がみんなの畑。もう秋冬野菜がすくすくしていた。

楽しそうで、楽しかった。おいしかったし、いいところなので、おおいに寛いだ。いい人たちばかりだし、そう、いい人にはいい人々が集うのだ、宇野さんの人柄がうかがえた。が、何気ないことばかりで、この出会いでは、少々もやっとした心残りのまま家路についたのだった。その後ももやっと感は続いた。宇野さんの考えること、育てようとする世界ってどんなものなのかな、と。

都会で、しばらくたってから、心に浮かんだのは、自給を分担する、という言葉だった。

かっこいい言い回しではないが、自給という言葉。自分の胸に手をあててこの言葉を振り返れば、そこに憧れの気持ちが含まれていることに思いが至る。ずっと都会暮らしの自分、農的な暮らしへの憧れ、かつては、なんでもかんでも自分で手作りしてみたいという嗜好、衝動のようなものも、常に心に抱いていた。そのようなことに近い業界に身を置きながら、むしろ遠のいていく自分、かつての思いも色あせていたようだ。その思いがふたたび色づき始めるのを感じた。

美しい里山で農薬を使わずに育てられた野菜をいくらの値段で買おうか、といった話ではなくて、今すぐ自分の畑はムリだけど、わずかずつでも自給に近い、農に近い暮らしの手段を持つにはどうしたらよいか。焦がれるように根源的に、求めてやまない故郷への回路が、細々とでもいいから、つながっていることを確かめるにはどうしたらいいか。

そのようなテーマに真正面から向き合っている人が、僕の身近にもうひとりいたことがうれしかったし、そのような良い話として、この実験に、かかわってみたいと思った。いいじゃんか。

※この日は作業のあと、畑でBBQでした。
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