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*work*
らでぃ~!
2008年に発行された幻の冊子。テーマは「南のムラ」そして「水を巡る旅」。
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食のたからもの再発見
東京財団2009年度政策提言プロジェクト全25編。今の時代に残る各地の食の「記憶」をまとめた貴重な記録。「釜炒り茶」「木曽赤かぶ」を担当。各方面で活躍中の執筆陣に叱咤され貴重な経験させてもらった。椎葉村、九州のお茶は忘れられません






味の箱舟/ark of taste
2007年、スローフード協会のプロジェクトに協力。現在22品目が国際認定を受けた、日本の「味の箱舟」品目のうち13品目の認定を手伝った。認定品目(英語)はこちら




ここきち!
知人のMさんがやってる農家レストランポータルサイト。



国友農園
高知県いの町、山奥の実生自生のお茶を再生させた釜炒り茶。自然とともにあるお茶の原風景が広がって



熊野鼓動!
がんばってほしい友達がいるところ。



お米のふなくぼ
お米のこと、ごはんのことを大切に考えるお米屋さん




森の空想ミュージアム
宮崎県西都市。児湯郡木城町茶臼原のすぐそばで、祈りの空間。主宰は高見乾司さん。九州の民俗仮面博物館もある






*ナナオサカキ*
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ponchu

Author:ponchu
日本の歩き方……おいしい村はどこにある? by タケウチアマネ

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[toki]食のりんかく

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プラトモナスふたたび


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 朝八時になるとエーゲ海には一艘の小舟が浮ぶ。小舟というより公園のボートといった方がよいその舟は、ふだんは漁師の家の前の浜につながれている。毎朝その時間になると妻を舟の上に乗せて、夫が沖へと舟を押していく。膝が水に濡れるところまでくると夫は舟にとび乗り、ちょうど公園のボートを漕ぐように沖へと漕ぎ出していく。舟の上には人形のように座っている妻の姿がみえている。

 私は毎朝浜で朝食のパンを食べながらその光景をみていた。一キロほど沖に漕ぎ出すと漕ぎ手がかわる。わずか五分ぐらいの時間だ。最後に網から伸びた綱が舟の後尾にしっかりと結ばれる。

 また漕ぎ手がかわった。夫は海辺の位置キロ沖を、岸と平行に、真一文字に全速力で舟を走らせている。体中からきっと汗をふきだしていることだろう。エーゲ海の青い海と青井空の境界線近くに、一本の筋が伸びていく。

 一キロも漕いだだろうか、舟の速度が落ちた。舟は向きをかえて、ゆっくり岸に近づきはじめた。そんなとき私はよく砂浜を走って舟が浜に着くのを待った。浜辺にのり上げるまで、海のなかにとび降りた夫が舟を押してくる。舟が浜に上がり、その後からは網が上がってくる。夫は舟に結ばれた網をはずし、網を背中にしょい上げる。そして浜辺のすぐ前の家へと入っていく。

 その家が村の魚屋だった。魚屋の店先に網が降ろされ、なかから海老やスズキや……、何百匹かの魚が降ろされる。夫はからになった網を持って、妻の待つ小舟に戻る。また海に舟を浮べ、一仕事終えた満足感をただよわせながら自分の家へと帰っていく。

……内山節『山里紀行Ⅱ』から引用

 風景の記憶とでも呼ぶか。人間共通の“風景の記憶”というものがあるなら、それはおいしい村の大切な要素であるべきだろうと思う。
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輪郭を失う生産と消費

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広域不特定多数をユーザーにする食品流通に携わっていると、その食品を取り扱うことのできる価格とクオリティには一定の幅、上限下限があることに気づかされる。クオリティや価格が高すぎては効率が悪いし、低すぎても競争力を失ってしまうからだ。たとえば1点の取り扱いあたり20万円の売り上げが立てばよいとしても、1個20万円の品が1個売れるより、500円で400個売れる方が良い。広域にまんべんなく販売できる商品の方が、継続性が見込めるからだ。また、あまり安すぎては損益分岐点という壁にぶち当たる。

ユーザーはこうした上限下限の幅の中で、適正価格という商品選択せざるをえないのだが、問題は、ユーザーがどんな基準に照らし、適正価格を認めるかという点だ。

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食のフィールドワーカー

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数年前、水俣のお茶農家、天野茂さんの庵で出合った「食の文化」ぶら~り。しげしげ眺めパチリ。う~ん食の文化、食の文化。こんな大事な、なんてすばらしいコトバ……

ボクの食への興味は専ら、シゴトで出会う様々な食や、それがつくられる地域についての興味だったような気がする。そこがボクのマニアックなトコなんだが、とにかく何も知らなかったので、どうして?どうして?の連続で、まわりはさぞ辟易としていたことだろう。たとえば、北海道のとある牛肉の生産者が、国産牛肉の値段が下がって大変だと言っていたので「そんなにたいへんならやめたらいいんじゃないですか?そもそもどーしてここで牛飼う必要あるんですか?どーして?どーして?」なんて、今思えば失礼なやりとりもザラだったし、逆にそのツッコミゆえに、日本の酪農でたぶん不世出の自然酪農家、中洞正さん(びっくり!wikiに出てた)と意気投合したりもできたんだから、ボクのどーして攻撃もまんざら捨てたもんじゃない。

ってな具合で、会話は相手を見てからという処世的知恵も学びはしたけど、うまくいってるかははなはだギモン。性格ゆえいいトシこいた現在でも、やっぱりガマンができない。そんなボクのどーして攻撃には、いつもいろんな食のフィールドワーカー諸先輩の著作が答えてくれたのだった……

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土地の記憶…テロワール

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ぶどうが吊るされていた。イタリアの世界遺産の町、チンクエ・テッレというところで栽培されているワイン用のぶどう。ハエにたかられるのもなんのその、地中海の風でその甘美は凝縮されて、琥珀色のシャケトラというワインが生み出される。何年か前に行ったんだった。イタリアはフランスに至る文化の通り道でもあり、そんな場所で、今に洗練される前の、当時の造りが今も大切にされているんだそうだった。

テロワール(terroir)という言葉を、2004年、当時スローフード協会の副会長をしていたジャコモモヨーリさんから教わった。ジャコモさんはANAの機内誌でワインの連載エッセー「未完成なワインへのオマージュ」を書いているから、そちらを読むと、彼のワインへの視点がどんなものかわかると思うが、このテロワール、WIKIで引いてみると…

葡萄園(葡萄畑)の土壌、地形、気候、風土など、ブドウの生育環境を総称してテロワール(Terroir)という。

…とのことのようだが、当時の僕は“土地の記憶”と(よくやるのだが)勝手に日本語訳をして、その言葉の響きに悦に入っていた。ワインはその土地の気候や土質などが微妙に関係する。ぶどうが育つその土地の土くれを手にとってもわからない違いの何かに、様々な要因が働きかけ反応させて、その土地固有の味わいや香りを昇華させる媒体が、この場合ワインなのだ。人々は今年はどこのワインがおいしい、今年はどこどこのワインが当たり年だと土地ごとの違いを称え、楽しむ。ボクの興味は日本のお茶だったのだが……
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山のお茶との出合い

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ボクが山のお茶っていうものを初めて意識したのは、6,7年も前のことだった。

それまでの意識は、空気のような存在の嗜好品であって、会って当たり前だけどなくても生きていけるもの。だから生産現場についても、お茶の淹れ方や作法などと一緒に、栽培から製法までに決まった「作法」がある、どこかアンタッチャブルな存在として、突っ込んだ興味を持たずにいた気がする。興味を持とうとしても、完成された世界、しかも昔から日本独自の伝統文化なので、それを後付けしてもあまり意義を感じなかったというか、僕らの生活にはほとんど関係がない気がしていた。

茶農家とのお付き合いにしても、出会った最初からみんな専業の茶農家の方々ばかり、それぞれが大きな製茶の機械を持っていて、栽培から茶の製造、販売のすべての工程は既に体系化されていたし、お茶という存在の全体も、産業化されて確固として、あまりそのことへの問題意識もなかった。いつも飲むものでもあるのだから、その作られ方云々に無思考でも、農薬化学肥料は使わないほうがいいだろう、とは思っていて、そうようなスタンスで、お茶農家の方々ともお付き合いをしてきた。

お茶を飲む立場になると、そういうようなお茶を、ほかの嗜好品であるコーヒーとか紅茶とかを押しのけて飲まなきゃならないという必然性は感じていなかったし、おいしいかまずいか、好きか嫌いか、安全か危険か、そんな選択肢のなかで、日本のお茶をおいしいと思い、好きな人が、安全なものを飲めばそれでいいんじゃないか、程度の認識でいた。嗜好品なんだから、と。

ところが、秩父の山奥で見たお茶畑の風景から、そんな認識が変化していったのでした……

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