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2008年に発行された幻の冊子。テーマは「南のムラ」そして「水を巡る旅」。
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食のたからもの再発見
東京財団2009年度政策提言プロジェクト全25編。今の時代に残る各地の食の「記憶」をまとめた貴重な記録。「釜炒り茶」「木曽赤かぶ」を担当。各方面で活躍中の執筆陣に叱咤され貴重な経験させてもらった。椎葉村、九州のお茶は忘れられません



味の箱舟/ark of taste
2007年、スローフード協会のプロジェクトに協力。現在22品目が国際認定を受けた、日本の「味の箱舟」品目のうち13品目の認定を手伝った。認定品目(英語)はこちら

ここきち!
知人のMさんがやってる農家レストランポータルサイト。

国友農園
高知県いの町、山奥の実生自生のお茶を再生させた釜炒り茶。自然とともにあるお茶の原風景が広がって

熊野鼓動!
がんばってほしい友達がいるところ。

お米のふなくぼ
お米のこと、ごはんのことを大切に考えるお米屋さん

森の空想ミュージアム
宮崎県西都市。児湯郡木城町茶臼原のすぐそばで、祈りの空間。主宰は高見乾司さん。九州の民俗仮面博物館もある

*ナナオサカキ*
- 2007/10/21/Sun 10:40:01
- CATEGORY:[toki]食のクオリア
イメージを食べる
食の文化は、外に向かって開かれた、ダイナミックな開放系である…食においては、人間は、貪欲に新しい要素を取り入れようとしてきた…私たちの食の文化は、もはや物質的な基盤を離れて、イメージの生産と消費の領域に大きく比重を移している。様々な食べ物のおいしさとは、すなわち、その食にまつわるイメージのおいしさでもあるのである…イメージでものを食べる、ということは、脳の部位で言えば、大脳皮質の側頭葉でものを食べる、ということである。側頭葉には、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの様々な感覚が統合される連合野が存在する。ここで、様々な感覚が融合され、さまざまな体験をエピソードとして記憶し、そして編集することによって様々な「意味」を見出し、創り出している…
ダイナミックな開放系、という言葉ですぐさま思い浮かんだのが、福岡伸一さん著『生物と無生物のあいだ』という本で語られていた世界だ。福岡さんは、生命とは動的平衡にある流れであるとしている。徒然草だったか、…行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまることなし…とあるが、生命体を構成する物質のすべては流動的で、同じところに留まらず、それは生命体の内と外を選ばない。ということは我々が生命と呼び習わしている物体の本質は「これ」と指呼できる特定のものではなくて、そのような“状態”をさす、ということだった。
人間が常に、貪欲に新しい要素を取り入れるという意味では、食は常に変化している。家庭の食卓でもそうだし、こうしたことは町場の名物の変化でもそうだ。沖縄のタコライス、ゴーヤチャンプルーといったB級グルメなんかそうだろう。どこどこの食はこうあらねばならないなんて決まりもない。文化というのは何か既定のモノサシではなく、その地域のその状態をさすものなのだろう。
茂木さんも、食の文化というものに対して、どうあるべきとは言っていない。食文化と呼ばれるものが生成される単位として、その物語に参加するヒトがどのようにふるまうのか、人々のどのような原理によって食の文化という状態が成立し得るのか、と示しているに過ぎない。
こう考えると、文化を守るとはどういうことなのか?
古くから親しまれてきた味を守ることではないのは明らかだ。食においては、そのような食なり味なり料理なりが生み出された背景を大切にする、という考え方がひとつある。しかし、文化というものが“状態”を示す呼び方なのだとすれば、これをどうすべきという見方は論点が違うようにも思える。我々は、食というものに貪欲に参加するしかなく、手前勝手でもなんでも良いから、貪欲に“おいしさ”に対する感性を磨いていくしかないのかもしれない。そしてそこから、人々の記憶に残る物語を紡ぎ出していくことが、文化を守ることになるのではないか。
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