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2008年に発行された幻の冊子。テーマは「南のムラ」そして「水を巡る旅」。
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食のたからもの再発見
東京財団2009年度政策提言プロジェクト全25編。今の時代に残る各地の食の「記憶」をまとめた貴重な記録。「釜炒り茶」「木曽赤かぶ」を担当。各方面で活躍中の執筆陣に叱咤され貴重な経験させてもらった。椎葉村、九州のお茶は忘れられません



味の箱舟/ark of taste
2007年、スローフード協会のプロジェクトに協力。現在22品目が国際認定を受けた、日本の「味の箱舟」品目のうち13品目の認定を手伝った。認定品目(英語)はこちら

ここきち!
知人のMさんがやってる農家レストランポータルサイト。

国友農園
高知県いの町、山奥の実生自生のお茶を再生させた釜炒り茶。自然とともにあるお茶の原風景が広がって

熊野鼓動!
がんばってほしい友達がいるところ。

お米のふなくぼ
お米のこと、ごはんのことを大切に考えるお米屋さん

森の空想ミュージアム
宮崎県西都市。児湯郡木城町茶臼原のすぐそばで、祈りの空間。主宰は高見乾司さん。九州の民俗仮面博物館もある

*ナナオサカキ*
- 2007/08/06/Mon 01:22:01
- CATEGORY:[hito]農の人
ラベンダーの感性
7月末富良野に行った。農産の勉強会ということで、ここで有機農業を進めている農家の方々と色々に交流した。その中でラベンダーの話。岩見沢からやってきた狩野謙二さんという面白い、有機農業で有名な方がいて、富良野でこれも有機農業を進めている太田順夫さんに「ラベンダー少し分けてくんねいか?」と持ちかけ、OKとなって、じゃあ僕もとその収穫についていったのだ。太田さんはこのラベンダーで商売してる訳ではなく、まあ、趣味でつくっているとしか言いようがないが、自慢するでもなく、植わっている場所も、あんな鮮やかで美しい畑なのに、見事に人目につかない場所。う~ん、もったいなし。
聞くと狩野さんは草木染めに使いたいとのことで、ほんの少量がほしかったのだが、行ってみると「全部刈ってくか?」とほぼ1反はありそうな畑を指差し、太田、狩野、僕、それの太田さんのところの研修生の4人で30分ほど刈り取り大会。とても全部はムリで途中であきらめたが大収穫になった。太田さんによるとラベンダーもちゃんと適期に刈り取ってあげないと樹がだめになってしまうとのこと。半分も刈れなかったが助かったヨと、僕も一抱えほどいただいてしまった。ありがたや。
昔は富良野ではそこらじゅうに香油をとるための、実用のラベンダー畑があったそうで、今のように観光目的のものではなかったそうだ。ラベンダーはトイレの芳香剤などすべてが化学合成されたものが極めて安価に製造できるようになったので、ホンモノのほうはすたれていったのだ。
僕はこの話知らなかった。実用のラベンダーか。そういえば昔富良野に来たときはひまわり畑もそこらじゅうにあったよなと聞くと、これも昔はひまわり油用につくっていたとのこと。実用のひまわり畑が広がっていたのだ。
思い出してくといろいろある。
空港のみやげ売場にハッカ油(知ってる?)あれは北海道の北見地方(オホーツクのほう)で観光用に何とか残そうとした結果で、これも今はわずかの農家しか栽培していない。足寄に行ったときに畜産農家の上田金穂さんに泊めていただいた宿では、手作りの白樺の樹液があった。その後お土産やさんに置かれるようになっていたった、とか。更別では“つぶつぶでんぷん”という商品を売っている小さな加工工場の方にお会いしたこともある。
これらみんなに共通しているのは、昔はたくさん作っていたけど、今は作り手がいなくなっているものたちだということで、北海道の大自然、人はいろいろなものと付き合ってきたのだなぁという感慨だ。時代の流れですたれていくものは仕方ない、すたれていった理由があるのだからとクールに忘れ去ってしまうこともできる。僕は在来種の取り組みのすばらしさに感動している者なのだが、よく「おいしくなくちゃいけない」と、売れるか売れないかで断じてしまう傾向にとてもツラサを感じている。そのおいしさの基準というかモノサシを消費者の味覚に委ねる向きがツライのだが、そもそも失われてきた在来種だって、これをつくりついで来た人たちの“おいしさ”だけではない歴史が育んできたものだ。こうした歴史を愛する感性や、つくってきた当人がその地域で愛してきた作物を、今の消費者の味覚に照らしてもどうかと思う。売ってナンボの話も正しい面があるので、文句は言えないが。
しかし一方、僕らが太田さんのようにわずかでもつくっている人のことを考えたり、思い出や懐かしさに共感したりする感性は残しておきたい。こうした太田さんのような感性、狩野さんのような感性は“遊び”としか受け取られないだろうが、こうした感性が土台になって育つ農業の集積は、売れるか売れないかだけで輸入農産物に対抗しようとする農業とは違うベクトルを備えている。それはきっとすばらしいものなのだ。
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